ドライバーの意のままに
– 操縦安定性の向上 –
群雄割拠の様相を呈している今の学生フォーミュラ大会において,100チームに迫る参加台数の中で総合10位以内を獲得する,ということは決して簡単ではありません.そのために,今年度プロジェクトでは,「ものづくりの総合力」ということばを特に重視して取り組んできました.
大会では,もちろん実際に車両を走らせて各種タイムを競う種目も存在しますが,車両の設計プロセスの妥当性を書類で問われたり,自分たちが製作した車両を実際に仮想マーケットに販売するためのプレゼンテーション能力が問われる審査も存在します.そして,総合的な成績は,これらすべての審査の成績を合計した得点で競われます.そのために,メンバー全員で,目先の問題や物事だけにとらわれることなく,常に中長期的な視点を持ち,その中でいますべき行動は一体何なのか,という思考を持てるように心がけました.
大会は例年9月に行われるので,2018年度大会に参戦するプロジェクトは,実質2017年9月から始動しています.プロジェクトとして特に重点を置いて取り組んだことは,「目的・目標意識の徹底」,「役割・責任の明確化」の2つです.
1つ目に関して,ここ数年TFCとしての目標は「優勝」「動的種目完全制覇」といったものでしたが,そこに至るまでのプロセスが明瞭ではなく,プロジェクト活動が進んでいくと,どうすれば目標にたどり着けるのか,目標には現実性がないのではないか,といった雰囲気が漂い始め,モチベーション低下につながってしまうことがありました.そこで今年度は,チームビルディングに多く時間を割き,メンバー同士このプロジェクトに求めているものは何なのか,何をすれば目標を確実に達成できるのか,といったディスカッションを行いました.結果,総合10位獲得という目標に向かっていったとき,目の前に問題が立ちはだかったとしても,チーム一丸となって解決することができました.
2つ目に関しては,例年行っている組織構成に加えて,役割を常にホワイトボードに掲示したり,チームとして定期的に再確認を行うことで,チーム全員が今自分は何の作業をすれば良いのか,誰に連絡やアドバイスを取ればよいのか,といったことを明確にすることができ,活動の効率アップに繋がりました.
車両製作・開発においても,チームビルディングがしっかりとしていたので,車両の方向性や開発指針も,一貫性のあるものとなりました.結果,2018年度日本大会においては,デザイン審査やプレゼンテーション審査といった,今までチームが苦手としていた審査においても好成績を残すことができ,総合成績は8位と,自分たちで立てた目標をしっかりと達成することができ,何物にも代えがたい感動と達成感をチーム全員で味わうことができました.この活動で得た経験はメンバー一人ひとり異なりますが,そのどれもが貴重であり,将来に繋がるものであると確信しています。
| Technical Specification |
Chassis | Full CFRP Monocoque |
Bodywork | CFRP Front,Rear,Side Wing & Cowl |
Wheelbase | 1,700mm |
Front Track | 1200mm |
Rear Track | 1200mm |
Weight | 235kg (GVM) |
Front Suspension | Double unequal length A-arm Push-rod |
Rear Suspension | Double unequal length A-Arm Pull-rod |
Tyres | Hoosier LC0 18×6.0-10 |
Wheels | Keiser 10inch |
Engine | SUZUKI SV650 Bore-up |
Cylinders | 2 |
Displacement | 693.8cc |
Fuel | Petrol |
Lubricants | Total groupe |
Max power | 73PS/9500rpm |
Max torque | 6.9kgf/7500rpm |
Transmission type | 6 Speed Close-ratio with Pneumatic Paddle Shift |
Drive system type | Shaft drive |
Differential | DRAXLER Formula Student LSD |
Brake system | 4disk system |
Steering system | Rack & pinion |
Electronics | MoTec M400 |