——————-2月の月間報告——————-
仲春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
この度は、Tokai Formula Clubの2月度活動をご報告させていただきます。
2月は、カーボンモノコック雌型の表面処理と型合わせの作業、エンジンベンチ開始とそれに伴うトラブルシューティング、サスペンション周りの部品外注のためのCAD最終調整、などなど、2月に準備したものをより煮詰めていく作業を行いました。
SES提出などにむけて、ミスなどがないよう、細かいチェックを行った月となりました。
引き続き、変わらぬご支援賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。
エンジン班
先月に引き続き、エンジンベンチ開始に向けて準備を行って参りました。
実際にベンチ室にエンジンを持ち込み、それらに合わせ排気の固定台を製作しました。
また配線は前年度の二気筒エンジンからの流用部分が多く、
インジェクター・イグニッションに関する配線の修正が必要だったため、修正を行いました。
まだ安定したエンジン始動にはたどり着けていませんが、引き続き問題解決に全力を尽くしてまいります。
( ↑排気の固定台)
エアロ・ボディ班
同一カーボンパネルを用いて、ベークライトインサートとカーボンインサートの比較実験を行いました。それぞれインサート自体に荷重がかかるように引き抜き試験を行い、その結果を分析したところ、ベークライトインサートを用いたテストパネル全体の剛性が、カーボンインサートを用いたテストパネルの剛性を上回る結果となりました。以下が実験結果です。
(↑部材の変位比較)
どちらも変位2.0mm程度の塑性変形初期においては差を認められず、直後にカーボンインサートの剛性低下を認めました。
この結果について、機械的強度の高いカーボンの変形量が少なく、周囲の接合や横方向の強度が低いハニカムへと
応力集中したことが合成低下の原因と考察しています。
この結果を踏まえ、カーボンパーツ使用時の接合や補助材料の機械的強度を見直し、
より安全かつ軽量なパーツ導入へ生かしてまいります。
以前より作業の続いていた、カーボンモノコック雌型のマスター作業ですが、
雌型の表面処理が終了し、型を合わせる作業に入っています。
カーボン繊維特有の収縮の影響を製品に出さないように、基準から少しずつずれのないように心がけて合わせています。
今後積層に入っていきますので、実験を通じて明らかにした特性をうまく利用し、モノコック製作を進めてまいります。
(↑完成した雌型の図)
サスペンション班
2月は外部発注に向けたアップライト・スフェリカルベアリングケースのCAD最終修正、
手持ちのバネのレート測定、物品の整理などを行いました。
カーボンモノコックへの穴あけを行いますので、予定している
穴位置が問題ないか、など細かいところも改めて確認しました。
アーム溶接治具の考案などまだまだ課題は多いですが、一日でも早くシェイクダウンを行えるよう活動を進めています。
(↑解析中のウィッシュボーンリンク)
(↑バネレート測定の様子)
昨年の試走会のストロークセンサーのデータをセッティングの重要な指標として
扱うべく、データ処理とその結果準拠のばね上の挙動を計算しました。
スタビライザーやタイヤのセッティングに強い根拠と
ドライバーフィードバックを裏付ける手法が確立し、
走行に向けて着実に準備が整いつつあります。
来月までに加速度ベースの車両挙動の計算を施し、シェイクダウンに備えます。
(↑各輪ストロークセンサーとばね上ロール角)
——————-最後に——————-
本月も皆様の温かいご支援と応援に心から感謝申し上げます。
我々の目標に向けた取り組みは、着実に前進し、失敗からも多くの収穫がありました。
当初の予定からは遅れてしまってはいますが、確実性を尊重し、
石橋を叩いて渡る精神を忘れずプロジェクトを進めて参ります。
今後も引き続き、チーム一丸となって目標達成に向けて努力し、より良い成果をもたらすために努めて参ります。
引き続きのご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
広報 村松
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